トヨタ財団研究助成申請書  企画概要

本研究は、伝統的価値を現代にあわせた新しい価値軸に創出しなおすことを目的に、山村における中世以来の文化景観である共有牧野の有効活用を通して山村の危機を救おうという試みである。 文化景観とは土地に刻まれた文化であり、見捨てられ林地となった牧場の 文化景観の再生は、ワラビ根によるワラビ粉生産の復活や 飛騨牛などの飼育により生産性向上をもたらし、中世からの歴史的文化価値であった野草、ワラビなどの植生に牧草を加えた新しい価値の牧場を作り出し、また、共有地ゆえの村人皆の力を生かした共同作業や共同経営などによる共同体醸成を生むことをも意味する、これらのことは、言い換えれば、ますます疲弊していく山村の物心両面にわたる活性化による、山村の自立的社会保障の構築である。山村振興研究所の設立は、このような調査、施策の考案の拠点になる。これらの研究は、国土の70%が山間地で占める日本には重要な研究であり、貴重な食文化を支える山村社会に、地域の持つ歴史的伝統から生まれた文化景観の復活による新しい価値軸を創出することによって、社会保障を構築し、山村社会しいては日本の国土を救うものである。